むち打ちの症状
交通事故のでの主な症状の「むちうち症」について
むちうち症について・・・
まずむちうち症について解説致します。
むちうち症とは、ムチ打ち損傷(外傷性頚部症候群)頚椎捻挫ともいわれる頚部の損傷を言います。
この近年、シートベルトが義務化をされたことにより交通事故による追突事故の際に、頚部などの外傷はだいぶ減少してきております。しかしながら、交通事故での外傷の過半数は「ムチ打ち損傷」と言われており、多くの方が首に痛みを感じます。
シートベルトが義務化になった現在でも、このむちうち症については、増加傾向にあるとも言われています。
むち打ち症(ムチ打ち損傷)とはどうして起こってしまうのか?
自分が運転をしている際に、外からによる強い衝撃を受けた場合は、腕をハンドルに伸ばして衝撃による外相を防ごうと、力を入れて衝撃から身を守ります。
この際に、頚椎を支えている【傍脊柱筋】の痛みにより筋収縮が始まります。(通常、数日後に起こります。)また怪我をしてしまった方の多くの方が、事故後3~5日後に痛みを非常に強く感じるようになると言っています。この様に、実際の患者様の様子から、事故直後よりも事故後少したってからの方が、痛みがピークに達することがわかると思います。
また衝撃を受ける際に、前方やサイドからよりも、後ろからの衝突(追突)から衝撃を受けた方の90%が、頸(首)を傷めています。また、頸の線上にある腰も頸(頸)と同様に傷めてしまう方も多くいらっしゃいます。
衝撃により特に下記を傷めてしまい持続性筋収縮(スパズム)が筋肉におこります。
その後、筋肉が硬くなり神経を刺激して痛みを発症させます。
首(頸)が動きずらくなるなどの運動障害が発生することが考えられます。
また、首(頸)だけではなく、腕や指先にシビレ(放散痛)発生して痛みを訴える場合もあります。
【特に傷めてしまう箇所】
◆首(頸)7本の骨
◆筋肉や靱帯(スジ)
◆椎間板(軟骨)
などです。
また、ここで気をつけなければいけない同乗者と女性です。
同乗者は、体の前にハンドルのような衝撃を防ぐ役割をするものがほとんどなく、また事故のタイミングが見えずに突然襲撃を受けることになります。その為に、運転手よりも同乗者の方が、直接衝撃を受けてしまう場合がございます。
女性がなぜ注意しなければいけない理由は、男性よりも首(頸)が細く、また筋肉量も少ない為に男性よりも女性の方が首(頸)などを支えることが出来ずに、衝撃を受けやすくなる場合もございます。
事故による、むち打ち症(ムチ打ち損傷)の特徴は、首(頸)や首(頸)まわりの痛み、特に後頚部の痛みです。また、その他にも肩甲骨よりも内と下にも痛みがでる場合もあります。また、この【むち打ち症(ムチ打ち損傷)】は、後ろからによる衝撃や追突が原因です。この原因は、実に多くのむちうち症患者様の85%を示します。
また、少し上の段で説明致しましたが、男性よりも女性の方が支える力が弱い為に、むちうち症になることが多いとも言われています。
このように、強い衝撃などを受けるとむち打ち症(ムチ打ち損傷)になります。
では、次に事故による【むち打ち症(ムチ打ち損傷)】になってしまう経緯を具体的に解説致します。
① 外傷による強い衝撃を後ろから受ける
② 衝撃を受けた骨が、衝撃による力により強く後方に反ります。(過度伸展)
③ ②よる衝撃により、慣性力により強く反対側つまり前方に倒れます。(過度屈曲)
④ ③の衝撃の際に、前にあるハンドルやダッシュボードに顔や体をぶてけてしまう場合もあります。また、衝撃が強かった場合やシートベルトを外していたり、最初から締めていなかったりした場合は、フロントガラスまで飛ばされてしまう場合もあります。
※横から衝撃を受ける場合もあり、体が左右に揺れてしまい思わぬ場所にぶつかってしまう場合もありますので危険です。このように、予想外の動きで、体が防衛に反応する前に衝撃を受けてしまうと、全ての衝撃を体の中でも細く支えが必要である首(頸)にかかってしまうので、傷めてしまいむち打ち症(ムチ打ち損傷)になってしまうのです。
むち打ち症の症状と分類を細かく説明します。
首の筋肉や靭帯などが損傷され、首、肩、背中の痛みや運動制限が起きる症状です。
頚椎から出る神経が圧迫されることにより、首の痛みや頭痛、腕のしびれやだるさ、筋力低下するなどの症状です。
後部交感神経の損傷や圧迫によって頭にいく血流が低下することで、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気、眼の疲労・・・などが起こる症状です。
※交通事故の場合は、2~3日後から症状が出てくることもあるので、まずは診断を受けることをおすすめします。
一般的に頻度の高い症状はこちら
患者さんの80%以上が訴え、46%は後頭部、34%は頭全体、20%はそれ以外の場所(顔面)に頭痛を訴えます。また以前から、頭痛症状がある方の痛みを増長させます。
先程説明しましたスパズム(持続性筋収縮)が起こり、首から出入りする神経を圧迫し、上腕・前腕・手指にシビレを発生させます。左右差はないと思います。来院する患者さんの半数は放散痛を訴えます。
受傷してから1週間からそれ以上。この症状が出現する患者さんもいます。これは痛みの軽快と共に徐々に良くなってきます。
事故後、受診する患者さんの60%以上が頚部(首)に痛みを訴え、背中の痛みは65%が6時間以内、28%が24時間以内、残りは72時間以内と一般的な統計等で言われています。事故直後から腰に痛みが発生することはありますが、私の浅はかな臨床経験で、4日~10日後に腰に痛みを訴える患者さんも大勢います。
頚腕神経叢(鎖骨付近にある。腕にいく神経の束)障害、頚神経及び頚背神経根症により、神経領域の筋肉の力が低下します。
50%は自分自身がグルグル回るかのように感じる回転性めまいを訴え、10%~15%は耳鳴りを訴え、難聴を訴える患者さんが数%います。
イライラしやすい、過度に神経質になる睡眠障害、うつ状態、記憶力の低下、注意障害など交通事故が原因で性格が変化してしまい、稀にメンタルカウンセリングを受ける患者さんもいます。
むち打ち症(ムチ打ち症)での障害とは?
ムチ打ち症候群の定義は意見が分かれるところですが、一般論では交通事故、通常は追突事故を受けた後に生じる症候群であり、その症状は次のように多彩で、かつ、色々な組み合わせで起こるものです。
患者さんの訴えは、受傷と同時に始まり、数カ月続いたり数年存続しうるので、いかにして慢性化を防ぎ、集中的に診療を行うかということです。ムチ打ち損傷は、たとえ頭部が物体に接触していなくても真の頭部外傷なのです。
- 整形外科的障害 - 頚部痛、動きの制限
- 神経障害 - 知覚障害、しびれ
- 聴覚障害 - 耳鳴り、聴力低下
- 耳鼻咽喉科的障害 - 嚥下障害、発語困難
- 平衡障害 - 回転性めまい、非回転性めまい
- 歯科領域の障害 - 咬合障害、顎関節痛
- 神経心理学的障害 - 不安神経症、注意力散漫